もうひとつの、蜜白玉のひとりごと

些細な出来事と記憶の欠片

雪たのしー

雪は朝には止んでいた。朝ごはんもそこそこに足首よりも深い雪を踏みしめて、近所の小学校まで投票に行く。今回の都知事選はこの積雪できっと史上最低の投票率をたたき出すに違いない。ガラガラにすいた投票所であっさり用事を済ませ、一面の雪原になったグラウンドを横切って家に帰る。

誰の足跡もないまっさらな雪にずかずかと前のめりで踏み込みながら、明日の1時間目はグラウンドで雪遊びになったりするのかなあ、と問えば、今の小学校はそんな余裕ないんじゃない?と返ってきた。そうなのか、つまらんね。

マンションはエントランスだけすでに雪かきの形跡があり、これはきっとお掃除のおじさんによるもので、勤勉なおじさんはこういうときは休日にもかかわらず出勤される。私も負けじとエントランスから歩道に出る道をつけ、外廊下は我が家の玄関からエレベータまでと外階段の雪をどけた。まだやるの~?と言いながら夫も付き合ってくれた。これで気が済んだ。明日の朝もし凍っても、これならまあ何とかなるだろう。

返す本を大量に詰めたリュックサックを背負って図書館へ行く。頭にはいちばん分厚い毛糸の帽子(屋根からの落雪に備えて)をかぶり、そんなに寒くないけど手袋(転倒時の怪我防止)をする。駅までの道、スズメやハトは熱心に地面をつついている。熱中しているのか人間が近づいても全然逃げない。鳥たちにとっては丸一日、地面が見えなかったからきっとろくに食べられず、今はそれどころではないといった感じ。公園にはめずらしく子どもがあふれている。雪たのしー。