もうひとつの、蜜白玉のひとりごと

些細な出来事と記憶の欠片

2015-01-01から1年間の記事一覧

少しくらいの後ろめたさも

クリスマスからお正月への変わり身の早さには毎年驚かされる。お店の陳列にも街並みにも何の後ろめたさもなくて(本当は少しくらいあってもいい)、むしろすがすがしいほどだ。どちらにも本気で付き合うとお財布も胃袋もたいへんなことになるので、最近はク…

冬の訪れ

紙で手をさっくり切った。冬が来たと思った。 落ち葉の掃除もそろそろピーク越えか。落ち葉でいちばん好きなのは桜。 にじみ出るような赤がたまらない。今年もそのことを確信し、一枚一枚拾って歩きたいところをぐっと我慢して目だけきょろきょろして先を急…

気がつけば秋

キンモクセイがほんのり香り、ヒガンバナがひょっこり顔を出していた。植物はすっかり秋をきめこんでいる。 おそろしいほどの大雨と洪水が関東から東北へと抜けて行った。堤防が決壊して濁流が家を押し流す様子は、あのときの津波の映像を思い出させる。まば…

夏空が無理なら

これを書くのはひさしぶり。3年連用日記帳もかれこれ2週間くらいサボっている。こんなにためてしまっては、思い出しながら書くのにもひと苦労だ。昨年も8月下旬から9月に入る頃の日記帳は真っ白だ。なにか毎日気忙しくて振り返っている暇がないのか、そ…

夏景色

去年の夏も同じような写真を撮っているのだった。広がる田んぼ、風に揺れる稲穂、遠くの山、足元の草の陰にはアマガエル。何も変わっていない。誰かにとってはもううんざりするほど見飽きた景色でも、私にとっては一年に一度しか見られない景色だ。きれー。…

梅雨雑記

はー!梅雨だね梅雨。押し寄せる湿気、広がる髪の毛、重たくむくむ脚。ヒレをつけたら泳げるんじゃないかってくらい、というのはリトル・フォレストにあったけど、今もまさにそれに近い感じ。 先々週あたりから髪はショートカットになっている。うしろ頭がも…

くまちゃん

今回の手術でお見舞いをいただいた方々へお返しをする。お見舞いのお返しは快気祝というやつだけれど、はっきり言ってまだまだ全然治ったって感じではないので、「快」だの「祝」だの印刷されたのしはつけなかった。その代わりに、お返しの品と一緒に手紙を…

お粥は甘酒の素

8泊9日の入院を経て帰宅した。家に帰ったら緊張が解けたのかものすごく眠くなり、その日は昼寝3時間に加えて、夜も21時前には布団に入った。どうしたって自分のベッドがいちばんだ。次の日も、その次の日も、たくさん眠った。やっと昨日あたりから、昼…

ミゾレとサクラ

季節はずれの雪。とんでもなく寒い。東京の寒さは「札幌より寒いかどうか」が基準なのか、どの気象情報も札幌より寒い3℃を強調しているけれど、もっと体感温度を信用してもいい気がする。寒いよ! 迷うことなくモコモコのダウンジャケットを着て歩くと、フ…

暮らしたこともないのに

今頃2月のはなし。 公開初日にひとりで映画『リトル・フォレスト 冬・春編』を観に行ったのはポスターの橋本愛が誰かに似ているという思いこみからだったのだけれど、観たら観たで、東北の山あいの集落にどっぷりとハマってしまった。深い緑の針葉樹林と真…

早春雑感

2月4日に乱暴に宣言された春については信じる気も起きないほど、空は延々と暗く、乾いた風は痛いほど冷たい。東京で氷点下の朝なんてめったにない。連日強く吹きつける北風もいったいどうしたというのだ。これまで冬の最も寒い時期は大晦日の周辺だと思っ…

風吹くままに

切った切った。あー、せいせいする。 神妙なんだか浮き足立っているのかよくわからないセンター試験の日、カラカラに乾いた暴風が吹き荒れる中を、前のめりになって髪を切りに行く。15センチくらい切った。この数ヶ月、次々と身に降りかかる災難とそれに伴…

さようなら、『蜜白玉の記憶』

ついさっき、思い立ってホームページ『蜜白玉の記憶』を閉じました。とてもとても長い間、ありがとうございました。ここを通じてたくさんの人や作品との出会いがありました。そのことが私の宝物です。 ========================== 蜜白玉の記憶 Since Aug. 2…

踏んだり蹴ったり

年末から踏んだり蹴ったり。予想していなかった体の不調続きを笑い話にして流そうにも、こうも次から次へとやってくると、へこんでしまう。逃げ切れなかった。重苦しい気持ちで、窓から差し込む冬の白い日を浴びる。 自分のことなんだから仕方ない。痛みも不…

雪舞う元日

あけましておめでとうございます。今年も蜜白玉の記憶をのんびりよろしくお願いします。 元日の東京は朝こそ晴れていたものの、昼前にはどんより曇り空の下、ふわふわと雪が舞った。空気がキンキンに冷えた寒い寒いお正月だ。年明け早々、近所のコンビニへ、…