もうひとつの、蜜白玉のひとりごと

些細な出来事と記憶の欠片

今年読んだ本◇10冊目~16冊目

今年読んだ本について、10冊目からキリのいいところまで。


◇10冊目と11冊目:おおのやよい 絵と文『にわのともだち』『じょうろさん』偕成社

9冊目『夏のクリスマスローズ』からの流れで大野八生さんの絵本を読む。2冊とも図書館で予約して借りる。まさに、庭と庭仕事の“あるある”話で、あっさりと見逃してしまいそうな小さな生き物たちの暮らしが楽しそうに描かれている。人間は庭作りを通して、その小さき者の世界にお邪魔させてもらっているのだな。

にわのともだち

にわのともだち

じょうろさん

じょうろさん


◇12冊目:いしいしんじ著『いしいしんじごはん日記』新潮文庫

これは古本屋さんにて。いしいさんが三崎に引っ越してからのごはん(特に、魚!)のそれはそれはおいしそうなことと言ったら。たしか体が弱いとおっしゃっていたはずなのに、日記に書かれている日常生活は移動距離も長いし、夜遅くまでお酒も召し上がるし、なんだかんだ結構疲れそう。

いしいしんじのごはん日記 (新潮文庫)

いしいしんじのごはん日記 (新潮文庫)


◇13冊目:井上荒野(いのうえ・あれの)著『夜をぶっとばせ』朝日新聞出版

忘れたころにやってくる図書館の予約本。待ち時間が長いと、予約したときの読みたい気持ちは順番が回ってきたときにはもう薄れていて、だからぜいたくを言えば、読みたい本は読みたいと思ったときに全部買いたい。ああ、すごいぜいたく。で、感想は、またもや時間が経ってしまい忘れたけれど、勢いで一気に読めたからおもしろかったはず。でも再読はないという印象がぼんやりと残っている。井上さんの作品で好きなのはやっぱり『静子の日常』や『雉猫心中』に変わりなし。

夜をぶっとばせ

夜をぶっとばせ


◇14冊目:穂村弘(ほむら・ひろし)著『君がいない夜のごはん』NHK出版

これも古本屋さんにて購入。穂村さんはほんとうにおもしろい。視点がおもしろい。イケてない自分をそんなにさらけ出してだいじょうぶですか?と心配になるけれど、エッセイのおもしろさのツボはそこだよね。読み終えて母に貸したら、母もいたくお気に入り。

君がいない夜のごはん

君がいない夜のごはん


◇15冊目:森見登美彦(もりみ・とみひこ)著『美女と竹林』光文社

図書館で借りる。森見さんの著書は初。タイトルはたくさん目にしているけれど、なぜか今まで一度も読んだことがない。嫌いとか避けているとかではない。最初に読むのがこれでいいのかわからない。たまたま棚で目についたからこれになった。一事が万事こんな調子で人を煙に巻くのだろうか。苦笑するおもしろさ。『夜は短し歩けよ乙女』がじゃんじゃん売れていたのっていつだったか。じゃんじゃん売れているものにはすぐ飛びつかないとか言っていたら、ずいぶん時が過ぎたようだ。だからハリーポッターも読まないでいたらすごい増えてるし。

美女と竹林

美女と竹林


◇16冊目:角田光代(かくた・みつよ)著『よなかの散歩』オレンジページ

図書館にて、返却本を並べたブックトラックをつらつら眺めていて見つける。角田さんのエッセイは何を読んでも楽しい。友達とおしゃべりをしているよう。夜寝る前に1、2個読むひとときの幸せなことよ。

よなかの散歩 (ORANGE PAGE BOOKS)

よなかの散歩 (ORANGE PAGE BOOKS)