もうひとつの、蜜白玉のひとりごと

些細な出来事と記憶の欠片

落ち葉の競走

朝、吹きつける強い北風に背を丸めて歩く頭上から、木の葉が勢いよく舞い落ちる。次から次へと降ってくる。落ち葉は地面に到着するや否や、今度はいちもくさんに道路を走る。たくさんの黄色や茶色が、車と競い合うように同じ方向へと駆けていく。勢い余ってときどき浮き上がっては、また前に進む。切るように冷たい空気の中、色とりどりの葉が朝日に照らされて、そこだけ何やらとても楽しそうだ。笑い声さえ聞こえてきそうな気がした。