もうひとつの、蜜白玉のひとりごと

些細な出来事と記憶の欠片

冬の日に映える

秋の終りの、ある晴れた日のこと。誰の予想よりも早く、小さな女の子がやってきた。そっと腕に抱くと、温かさと確かな重みがあった。自然と涙と鼻水があふれ、あふれたところで私の両手は塞がっていて、不慣れ過ぎて片手に抱き直すこともできず、見兼ねた助産師さんが笑いながら涙を拭いて鼻水をぬぐってくれた。

これが私と姪の出会いだ。

仕事の帰り、これまでは母の家に寄るだけだったのが、母の家に寄った後に妹の家にも寄るようになった。頼まれた買い物を届けに行ったり、赤ちゃんの様子を見に行ったり、妹の話し相手になったりするために。2か所回って帰宅し、夕食の支度をしながら、我が家の時間を整える。驚きと喜びと疲れが綯い交ぜの、忙しない日々だ。できることなら体が3つほしい。

1ヶ月たってお宮参りへ出かけた。赤い着物が日差しに映えて、美しい冬の日だ。姪とのやりとりが書けるようになるまで、あとどれくらいだろう。

 

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