もうひとつの、蜜白玉のひとりごと

些細な出来事と記憶の欠片

人、ときどき虫

もうそろそろかさぶたになっているかと思って、不用意に引っ掻いたら流血。いったん流れ出てしまったものは止めようもなく、当の本人が収拾つかないのだから、周りにだってどうしようもなく、どんどんイラ虫と化していく自分の扱いに困り果て、結局布団に入って目を閉じるしかなかった。(比喩です。実際に血は出ていません。)

朝起きたら、とりあえず虫から人に戻っていた。今になって落ち着いて考えてみれば、やっぱりあれは安易だった。この先もまだまだ、そうあと少なくとも5年くらいは、いやでもさらされる場面が何度もやってくるのだから、今よりもっと慎重にしてもいいくらいだ。平気なふりをするのがあんなに後々つらくなるものだとは思わなかった。口から出まかせ(というのではないにしろ本心とは少し異なること)をなんでもないことのようにしてしゃべり続けるというのは、他でもない自分をめった切りにしているようなものだ。そう気安くやっていいことではないのだし、何もそうまでして人におもしろい話や耳触りのいい話や都合のいい話を聞かせなくてもバチはあたるまい。だからと言って、じゃあ代わりに何を言えばよかったのかは今もってよくわからないけれど。あーあ。

ひとつ別の見方をすれば、平気なふりをすることで、もう自分は平気なんだって思い込みたかったというのもある。面倒くさいな、私ってば。でもわかってるけど、さらっと流せるほど器用じゃないし、うじうじぐじゃぐじゃ考えるし、考えが整理されて自分が納得しないと前に進めないのだから仕方ない。まあいいや、もう少しこの辺で泣きながらうろうろしてよう。誰かのせいにするのは簡単、でも他人のせいにはできない、深い深い問題なのだ。自分がこれからどうやって在るか、というのとほぼ同義くらいに思っている。


全然関係ないけど、最近読んだ本。

津村記久子『やりたいことは二度寝だけ』
タイトルが最高。同感。でも最近二度寝すると起きた時に頭が痛い。

やりたいことは二度寝だけ

やりたいことは二度寝だけ


西村賢太『苦役列車』
主演が森山未來で映画化したというので、つい。

苦役列車 (新潮文庫)

苦役列車 (新潮文庫)

 

田中美穂『わたしの小さな古本屋~倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間』
蟲文庫さんの軌跡。いいなあいいなあと羨望のまなざし。

わたしの小さな古本屋?倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間

わたしの小さな古本屋?倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間

 

吉田右子『デンマークのにぎやかな公共図書館-平等・共有・セルフヘルプを実現する場所』
図書館で見つけて何となく。北欧は図書館も豊かだ。

デンマークのにぎやかな公共図書館?平等・共有・セルフヘルプを実現する場所

デンマークのにぎやかな公共図書館?平等・共有・セルフヘルプを実現する場所


他にもあったような気がするけれど、忘れた。夕方の蝉時雨がかなりの音量で、耳がわんわんするくらい。甲州街道の車にも負けてない。蝉、元気いっぱい。