もうひとつの、蜜白玉のひとりごと

些細な出来事と記憶の欠片

きのう九州に降った雨が

4月になったしなあ、そろそろ何か書こうかなあ、なんて思っていたら大きな地震が来てしまった。東日本大震災のときのこわさや心細さがぞわっとよみがえる。

4月14日木曜日午後9時26分頃 熊本県震度7 (M6.5)前震
4月16日土曜日午前1時25分頃 熊本県震度6強(M7.3)本震

前震だの本震だの、今回初めて耳にする言葉だ。数日たっても震度6震度5クラスの大きな余震が頻繁に起きるため、緊急地震速報が10分おきくらいに鳴り響く。追い打ちをかけるように雨や土砂崩れ。最初の地震で持ちこたえたと思っていた建物も執拗に繰り返される揺れに崩れた。

不自由な避難生活をしている方、不安や恐怖や悲しみをなんとかこらえている方、疲労や緊張から体調がすぐれない方、離れたところでテレビを見ながら手をこまねいている。せめて経済活動を止めないこと、余計な動きをして支援や復旧の流れをそがないこと、心に留めること。今の私にできること。

いつか来る、近いうちに必ず来る、と脅され続けている首都直下を思うと身動きが取れない。ふだんから防災、減災を考えつつも、一方で地震そのものは自然の力なのだから、起きることそれ自体はどうしようもないのだということも、自分に言い聞かせる。誰のせいでもない。生き残ったらがんばって生きる。強さとかしこさがほしい。

通過する低気圧のせいで頭がガンガンする。きのう九州に大雨を降らせたやつだ。

 

 

3秒後ぐらいでしょうねえ

おひさしぶりです。みなさんお元気でしたか?と、今日は語りかけてみます。

ちょっとずつ春ですね。朝晩はまだまだ寒いですし、昼間も日かげはキュッと冷えますけど、日差しの角度も色も冬のそれとはすっかり変わりました。仕事帰りに、ほんのり西の空に明るさが残っているのがうれしいです。梅は満開を過ぎ、小さい早春の花が咲き、東京のソメイヨシノ開花予想日は3月23日ということです。私は花粉症でこのところあっぷあっぷしています。あはは。

皮膚、目、鼻、のどと症状があっちへこっちへ出まくっていますが、今いちばんつらいのは目!

目がかゆ~い。ゴロゴロする。しばしばして目をパチッと開けていられない。そのせいか、一日中ねむ~い。だる~い。からだがおも~い。・・・もう全く使いものになりませんね。年度末なのにね。

さて、「チャージしますか」ではじまった2016年も3ヶ月目に突入しました。ええ、そりゃあもちろんチャージします!とばかりに、1月と2月は意欲的にバレエに取り組み、そして入れ込み過ぎて、チャージしているつもりが逆に体力を消耗しました。

もちろんバレエだけのせいではなくて仕事その他諸々の用事にもよるのかもしれませんが、2月の終わりに口唇ヘルペスができてしまい、1月に口内炎を診ていただいた耳鼻咽喉科に再び駆け込み、薬を出してもらうはめに。去り際に、「体からの疲れているというサインなのだから、栄養を取ってきちんと休みなさいよ」とまだ2回しか会っていない先生にぴしゃりと注意されました。はい、気をつけます。そんなつもりはなかったんですけど。ごにょごにょ。口唇ヘルペスはもともと神経に潜んでいたウイルスが、抵抗力が落ちることによって出てくるものだそうですよ、自分のせいですね。

ストレス解消効果抜群のバレエですが、疲れを押してレッスンに出た回がないこともないわけで、かと言って毎回、今日は疲れてるからバレエには行かないってことにしてしまったら、疲れてない日なんかないので二度と行けなくなってしまうし、そこはある程度の疲れは見ないふりをして押していくべきでしょう。

ある程度ってどのくらいでしょうね?

3秒後かなあ?
3秒後ぐらいでしょうねえ。

 


dポイント「ローソンでたまる」篇

 

これね、docomoのdポイントのCMに出てくる黄色い鳥「ポインコ」がお気に入りです。あの、「3本がパア~」のやつ。このCMが流れると、私は微動だにせずポインコを凝視しますが、夫は中条あやみの方をじっと見ているようです。中条あやみもかわいいね。・・・話がそれましたが。

レッスン後はすっきりさっぱり元気(テンション高め)になっているので、これはやっぱり私にとってはチャージなわけです。基礎体力向上のために運動する→する→する→体力消耗して疲れてダウン。って、じゃあどこから始めたらいいんですかね?こうやってときどきしょんぼり落ち込みながら、しみじみやっていくしかないのでしょうね。

ところでこうして2ヶ月ぶりに書いていると、1月2月は何してたのかな、って思います。3年連用日記はだいたい1週間分まとめて日々の出来事と感想をちまちま書いているのでそっちを見てみます。

<1月のひとり部活動>

・バレエのレッスン
 6回 

・バレエ鑑賞
 1月8日(金)スターダンサーズ・バレエ団『コッペリア東京文化会館

・演劇
 1月30日(土)二兎社『書く女』(主演:黒木華世田谷パブリックシアター

・読書
 『モーリス・ベジャール回想録 誰の人生か?-自伝2』La vie de qui? MEMOIRE 2 by Maurice Bejart
 『闘うバレエ 素顔のスターとカンパニーの物語』佐々木忠次著
 『日本バレエの創成期を語る―日本におけるバレエ教育の成立と変遷』公開講座報告書
 『バレエに育てられて 牧阿佐美自伝』


そうでした、1月30日に世田谷パブリックシアター黒木華主演の演劇『書く女』を観たのでした。演劇は11月の『オレアナ』に続いて2作目の鑑賞です。学生時代は演劇やってる人たちが近くにいたから付き合いもあってときどき観に行っていたのですが、この10年くらいは全く観ていませんでした。演劇もいいですね。生の舞台は迫力が違います。声と息遣いと制約が演劇の面白味だと思います。限られた中での見せ方に頭がぐりぐりします。


<2月のひとり部活動>

・バレエのレッスン
 6回

・バレエ鑑賞
 2月1日~2月6日 ローザンヌ国際バレエコンクール(ストリーミング)

・映画
 『ロパートキナ 孤高の白鳥』
 『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』(これはふたり部活だけど)


そうでした、2月は初めて東京タワーにのぼったのでした。スカイツリーももちろんのぼったことがないのですが、順番としてまずは東京タワーからでしょ、ということで、なぜか夫ものぼったことがないというので、本当に本当にいまさらだけど行ってみました。並ぶんですねえ、列に。ふだん並ばない派なのですが、ここはぐっとこらえて並びました。高いところからの景色ってもう、何もめずらしくないのですね。そのことが残念でした。春の日差しに照らされて温室のように熱気のたまった展望台で、ダウンを着て頭がぼーっとしてきて、これが東京タワーか、ってかみしめて降りてきました。

もうすぐお彼岸ですね。お彼岸には静岡へお墓参りに行きます。そして4月初旬には父の七回忌法要が控えています。もう七回忌ですって。父の病気、介護、死、そして不在には、いまだに慣れません。直後のような衝撃こそありませんが、心がぞわぞわとして、なんだかよくわからない嫌な気分になることは変わりません。もともと桜にはあまりいい思い出はありませんが、父が亡くなってからというもの、桜を見るとますます不穏な気持ちになります。

父のせいではないのですけどね、本人だって別に死にたかったわけじゃないでしょうし。この苦しさは、私がいつまでも過去を手放さないからなのだと思います。あきらめて手放す、許して手放す、あるいは受け入れて手放す。どれでもいいのですが、そのどれもできていない様子。問題の本質が、父のことが恋しい、というのではないことはよくわかっています。とか言ってしまうと、お父さんがかわいそうでしょうかね。私が何にこだわっているのかといえば、たぶん、あの時の自分、です。はあ~、もうどうにもならないのにねえ。

今日は「○○なんでしょうかね?」ばっかりです。全部、ポインコのせいです。

 

 

 

チャージしますか

あけましておめでとうございます。今年もほそぼそ続けていきますのでどうぞよろしくお願いします。

さて、今年のお正月はカレンダー的にオフピークする暇がないから、特に遠出することもなく家でのんびり。元日は母と妹家族とおせちを囲み、楽しくて調子に乗って、食べ過ぎて飲み過ぎた。姪っ子のこの1年の驚くほどの成長ぶりにしみじみする。お年玉をあげたらぽち袋に喜んだのか2歩歩いた。

今月末に樋口一葉をモデルにした演劇『書く女』を観に行くので、その準備として、『ちくま日本文学全集 樋口一葉』をパラパラする。「にっ記一」の項がちょうど明治25年1月1日から始まっている。元日は誰よりも早起きして朝一番の水を汲みに行ったり、年始の来客に対応したりする。お正月っぽいなあと思って読み進めば、正月と言ったっていつもと変わらずに夜更けまで縫い物をするんだ、とちょっと愚痴っぽく書いてあったりもする。年明けから曇天が続き、梅の頃のぬるい風か吹き、夜中には雨が降る明治25年。一方で、今日の東京は桜が咲く頃の気温になるらしく、平成28年も本の中に負けず劣らずのあたたかいお正月だ。

3年連用日記帳に使うペンを新調した。この日記帳も今年で3年目だ。どうでもいいような細かいことをたくさん書きたい。そういうことの方が読み返したときに楽しいことはもうわかっている。

新春ドラマ「富士ファミリー」(木皿泉・作)にほっこりした。「昨夜のカレー、明日のパン」にもつながるものがあって好きな感じだ。そしてやっぱりご都合主義というか、予定調和というか、ちょっとだまされている感じに気づいてしまったけれど、そこはあえてだまされて話に乗っかって、受け取るものを受け取ればいいと思う。

今年は自分にたくさんエネルギーを補充したい。みなさまも幸多き年になりますように。

 

 

少しくらいの後ろめたさも

クリスマスからお正月への変わり身の早さには毎年驚かされる。お店の陳列にも街並みにも何の後ろめたさもなくて(本当は少しくらいあってもいい)、むしろすがすがしいほどだ。どちらにも本気で付き合うとお財布も胃袋もたいへんなことになるので、最近はクリスマスはほんの気持ち程度、お正月はまあそれなりに、という加減で臨んでいる。

今年のクリスマスは平日でそれぞれ別の予定があったから、お互いに実用品を贈りあって満足して完了。ケーキもチキンもなしだ。考えてみれば結婚する前から相手に内緒でプレゼントを用意するっていうことはあまりしていない。ブランド品や装飾品にたいして興味がないこともあるけれど、ほしいものは自分で選びたいし、気に入らないものや使えないものをもらってしまったら本気で喜べない。日々のお財布が別とはいえ乗っている船は一緒だから、余計な買い物をしたくもないし、相手にもしてほしくない。そうは言っても毎回アマゾンでポチるのも芸がないので、一緒にクリスマスショッピングに行くくらいがちょうどいいだろう。今年は私が風邪をひいたせいでタイミングを逃した。

11月から体調がボロボロなせいもあり、少し早めに仕事納めとさせてもらって9連休。毎日、少しずつ家の中を片付けて掃除する。はりきると疲れるので、1日1~2箇所くらいにおさえる。台所の換気扇、ベランダの植木鉢、エアコンその他のフィルター、玄関扉とお飾り、窓(室内のみ)は終わった。あとはお風呂掃除と床のワックスがけくらいはやりたい。食材の買い出しにいつもより多めの料理も待っている。ま、どれもこれも全部できなくたって新しい年はやってくるし、生活は切れ目なく続いていくのだ。

今日あたりから大晦日までの時間が好きだ。外は寒くて明るくて、人々はせわしなく動いている。でも不思議とうるさくなくて、すべての音が遠のいて、透き通って静かな感じ。そしてどこか行儀のいい感じ。今年、いろいろうまくいかなかったり、後悔があったとしても、さいごくらいはきちんとしたい。帳尻を合わせたい。そんな焦りとか覚悟とか決意のようなものも見え隠れする。

みなさんはどんな1年でしたか。私はたくさんの人に助けられ、支えてもらった1年でした。入院前も、入院中も、退院後の生活でも。以前から付き合いのある人たち、そして新しく出会った人たち。ほんとうにしみじみ、ありがとうございました。少しずつお返ししていくためにも、まずは自分が元気で楽しく力みなぎる感じで過ごしたいと思います。

それではよいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします♪

 

 

冬の訪れ

紙で手をさっくり切った。冬が来たと思った。

落ち葉の掃除もそろそろピーク越えか。落ち葉でいちばん好きなのは桜。 にじみ出るような赤がたまらない。今年もそのことを確信し、一枚一枚拾って歩きたいところをぐっと我慢して目だけきょろきょろして先を急ぐ。

ずいぶん長いことほったらかしにしていた。秋から冬にかけて何をしていたかといえば。

9月から10月にかけては毎年のことだけれど仕事が忙しく、気もそぞろだった。そんな中、再開したバレエに心を奪われ、暇さえあればバレエのことを考えていた。YouTubeで世界中のバレエ団の動画を見たり、経年劣化したレッスンウエアやシューズを新調した。レッスンに夢中になり、腹筋は割れた。これまでたいして運動をしていなかったせいで足が痛くなり、一時はふつうに歩くのさえも痛くなった。それからはレッスン中の身体の使い方をより慎重に考えるようになった。

11月には体調を崩した。みぞおちや背中が痛い日が続き、脂汗の出るような腹痛が続いた。だましだまし生活していたが、いつまでたっても良くならないので病院へ行くと、胃炎・十二指腸炎逆流性食道炎ということだった。

胃はストレスから来るからね、思い当たる節はないかと問われ、考え込んでしまった。仕事も人間関係も、たいしたことないのだ。しいて言えば、この秋のめちゃくちゃな気候か。急に寒くなったり、かと思えば生ぬるくなったり、だらだらと雨が降り続いて昼間でも薄暗かったり。あとはそう、飲んでる薬の副作用も、この時期はしんどかったような気もする。

でも、どれもこれも、胃が痛くなるほどのストレスだとは思っていなくて、結局「よくわかりません」と答えた。辛いもの、脂っこいもの、甘いもの、コーヒー、紅茶、緑茶、お酒、タバコ、炭酸、控えてね。私の好きなものばかりだ(タバコは吸わないけれど)。

本はあまり読まなかった。図書館にもしばらく行かなかった。インプットもアウトプットも、どちらにも心が動かなかった。脅かしてもおだてても仕方ないので放っておいたら、こんなに時間が過ぎてしまった。

バレエで身体が変わっていくのがおもしろかったのだと思う。いい変化、例えば筋力がつくとか、痩せるとか、何かができるようになるということだけではなくて、 病気とか、もう名前もつかないような何となくの不具合だとか、日々変わる体調とか気分とか、そういうものを観察しながら、週に1~2回、強めに体を動かして、自分がどこまでいけるかを見たかった。どこまで続けられるのかを。

そこまで考えがたどり着いて、ようやくこの頃、本を読む気になってきた。週末の図書館通いも再開した。とりあえずは原点回帰で、江國さんの作品を読んでいる。冬がよく似合う文章だ。